ここでは、基本的な米の洗米から炊飯まで(要するに鍋などを使ったご飯の炊き方)について扱います。

この講座は、Topic:米とごはんものの一部であり、Topic:料理に属しています。

また、コメについては、米とはも参照してください。

準備

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洗米

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洗米は、白米を鍋やボウルなどに入れて水をいれ、手で白米同士をこすり合わせて表面についたほこりや糠などを取り除き、水を捨てることを何度か繰り返して行います。洗米中も米は吸水するため、特に最初の洗米は、米が汚れた水を吸収しないよう手早く行うとよいといわれています。

ある程度力を入れてコメをこすり合わせますが、あまり力を入れると米が割れ、炊くと糊のようになってしまいますので、適度な力で行います。

また、石などの異物の類が残されていれば取り除きます。

米は洗米中も吸水するため、味を追求する場合、ミネラルウォーターや浄水器を通した水で洗米することも行われています。

電気炊飯器でよく用いられる、フッ素樹脂加工の内釜で洗米を繰り返すと、フッ素樹脂加工がはがれていくことがしばしば見られます。これを避けるためには、他の鍋・ボウルなどを使うとよいでしょう。

吸水

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米はもともと水分含有量が(イモなどと比べると)低く、糊化を充分にさせるためには炊く前に吸水させる必要があるといわれています。そこでまず、必要量の水を入れて時間をおき、吸水させます。

吸水は、最初の30分にその大半が行われ、概ね2時間ほど経過するとそれ以上置いてもほとんど吸水しなくなり、あまり長時間放置すると炊くときに米粒が崩れやすくなるため、30分から2時間置くのがよいとされています。ただし、玄米は吸水しがたいため、より長時間置く必要があります。

水の分量は、米の重量の1.2倍、米の容積に対しては1.3-1.5倍程度が適量であり、つまり、

  • 米一合(180ml)に対して、水250ml程度

が目安といわれています。なお、古米の場合には米の含水量が少なく、新米の場合はより多くなります。炊きあがったご飯の使途や好みなども考慮して調節します。

炊飯

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電気炊飯器を利用する場合、基本的にボタン(「炊飯」ボタンなど)を押すだけです。炊き上がったらふたを開けて飯をざっと混ぜ、余計な蒸気を逃がし味を均一にします。

炊飯後、長期間保温すると変色・乾燥し、食味も劣化するため、しばらく食べない分については一度冷凍などした方がよいとされています。

鍋を使った炊飯

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鍋で炊飯する場合、まず鍋は、なるべく厚手で熱がムラなく伝わり、また保温力の高いものが適しています。そのため、土鍋が用いられることも多くあります。鍋で炊くことで、火加減を調節しておこげを作ったり、より細かく調節することで自分好みの炊飯をすることも出来ます。

炊飯は、

  1. まずは強火(もしくは中火。米の量が少ない場合)で、10分ほどで沸騰まで加熱します。
  2. 次に中火で、沸騰状態を少し(2-3分)保ちます。
  3. そして弱火で、10分-15分ほど蒸し煮にします。
  4. 最後に火を止めて、10分-15分ほど蒸します。

という順序で行うのが基本となります。

炊き上がったら、全体を混ぜて余分な蒸気を飛ばすのは電気炊飯器と同じです。

米は、加熱されると澱粉成分が水に溶け出し、水が粘り気を帯びます。そこで、まず強火で水を対流させ(米を躍らせ)全体に熱を行き渡らせた後、粘り気が強くなると対流が起こらなくなりますので、焦げ付かないように弱火にして蒸し煮にし、最後の蒸す時間には、余熱で中までしっかりと熱を通すと同時に米粒間の水分を米に吸収させ、水をなくします。

また、このように対流を起こして全体に熱を加えるには、鍋は丸底のものが適しているといわれます。

炊飯に関して、よく「はじめちょろちょろ、中パッパ、赤子泣いてもふた取るな」といわれます。しかし、蒸すためふたを取ってはいけないのはその通りですが、火加減をこのようにすると底が焦げるのに対して上部は十分に熱が通らず、失敗しやすくなります。

なお、夏季と冬季では、気温や水温などが異なるため、それに応じて火加減や加熱時間などを調整するとよりよく炊飯できます。

(参照 w:飯w:飯盒