液体の変色獣                               中学3年 神原 健人 1. はじめに 3万年以上も前に人類が壁画を描く材料として使われていたマンガン。その名をご存知の方は多いだろう。この実験では、そのマンガンがまるでカメレオンのように変化するという。その一部始終をとくとご覧あれ。

2. 試薬 ・酸化マンガン(Ⅳ) (MnO2) ・硝酸カリウム(KNO3) ・水酸化カリウム(KOH) ・6mol/L 硫酸 ・1%過酸化水素水 ・純水

3. 実験手順 ① 酸化マンガン(Ⅳ)薬さじ半杯と硝酸カリウム薬さじ半杯および水酸化カリウム2~3粒の混合物を入れて加熱する。全体が融解して黒緑色になったら加熱を止める。

② 試験管を空気中で冷やしてから純水を加える。

③ ②の液に6mol/L 硫酸を1mL加える。

④ ③の液に1%過酸化水素水を1mL加える。

4. 原理 ① 硝酸カリウムは二酸化マンガンに対して酸化剤として作用する。

② 緑色になる。これはMnO42-の生成によるものである。(酸化数+6)

   2MnO2 + 4KOH +O₂ → 2K2MnO4 + 2H2O
                        ↳マンガン酸カリウム(酸化数+6)

③ 紫紅色になる。これはMnO4−の生成によるものである。(酸化数+7)

  3K2MnO4 + 2H₂SO₄ → 2KMnO4 + MnO2 + 2K2SO4 + 2H2

             ↳過マンガン酸カリウム(酸化数+7) ④ 無色になる。これは過酸化水素によって還元され、Mn2+を生成したためである。

    KMnO4 + H2O2 + H2SO4 → 2MnSO4 + K2SO4 + 5O2 + 8H2O
                                                       ↳硫酸マンガン(酸化数+2)

5. 参考文献 ・https://www.jstage.jst.go.jphttps://www.hyogo-c.ed.jp  

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