おやおや。おやおや。文字は訂正されていき、誤字も修正されていく。ここはこういう風には書かない。そう言われることもある。大抵素直に従うが、どうしても受け付けない単語や構文というのもある。それじゃあ駄目だと言われるが、でもココナツミルクは苦手なのだと言ってみる。台所に馴染んだ者は笑みを浮かべて、居間に暮らす者は怪訝(けげん)な顔を向けてくる。「円城塔『道化師の蝶』より」

言葉の意味って難しいですね。生まれた時から使っている言葉でも、学習して覚える言葉でも、他者からいろいろ指摘されることも多いですよね。

例えばひとつの単語の意味って、基本的には多義的なもので、辞典にもいろいろな言葉を当てはめ、番号を振って意味を解説しています。時々この言葉の意味はこの意味ではなくてこういう意味だ、という人がいるんですが、じゃあその間違いといわれる意味で使ってはいけない理由って何なの?などと思うこともあります。

しかし大体世の中の人は言葉の表現にはうるさいよね。昔ある人と話して、重複(じゅうふく)、重複(じゅうふく)って言ってたら、「ちょうふく!!」って言われたことがある。まあ実際にはじゅうふくという読みも辞書には載ってるし、そもそもそこでそんな風に言われたのは言葉以外の別の理由があるんじゃあないの?なんて言われれば、その通りなんだけどね。

あとこれも私的には少し気になる言及なんですが、昔聞いた話で、統合失調症、昔は精神分裂症と言われた精神疾患、と、今の社会では言われている状況、こうゆう人たちは会話で新たな言葉を造語する傾向がある、と、聞いたことがあります。

しかしほんとに言葉というのは難しくて厄介なものだ。言葉とは何かというと、それは世界の本質、世界そのものだと主張する人も多いだろう。

しかし私としては、言葉に対してもそれ以外でも、やたらあれが間違いこれは違うと言いたてる態度には賛同できない。ものの見方を適切に持って行くと矛盾がなく、両立、広くとらえることができることも多いよ。