「Topic:数と式」の版間の差分

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これを'''整数'''(せいすう、integers)といいます。整数は'''正の整数'''(せいのせいすう、positive integers)1, 2, 3, 4, 5, ... と、'''負の整数'''(ふのせいすう、negative integers)-1, -2, -3, -4, -5, ... と、0からなっています。自然数とは、正の整数 1, 2, 3, 4, 5, ... のことです。
 
;{{定義|title=正負の数|
:0より大きい数を'''正の数'''(せいのすう、positive numbers)、0より小さい数を'''負の数'''(ふのかず、negative numbers)という。
}}
 
;補足
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ところで、二次方程式の解は一般に(重解でなければ)2個あるので、<math>x^2 - a = 0</math> の解である ''a'' の平方根も高々2個あると予想できます。実際、2乗して4になる数を考えると、<math>2^2 = 2 \times 2 = 4</math> だけでなく、<math>(-2)^2 = (-2) \times (-2) = 4</math> もあるので、4の平方根は 2 と -2 の2つあることがわかります。
 
;{{定義|title=平方根|
:二次方程式 <math>x^2 - a = 0</math> の解 ''x'' を、''a'' の平方根という。そのうち'''正の平方根'''(せいのへいほうこん、principal square root; 主平方根)を <math>\sqrt{a}</math>、'''負の平方根'''(ふのへいほうこん、negative square root)を <math>-\sqrt{a}</math> と書く。
}}
 
;補足
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分子・分母ともに整数の分数で表すことができる数を、'''有理数'''(ゆうりすう、rational numbers)といいます。有理数は整数の分数、つまり比 (ratio) になる数なので、''rational'' number(レイショナル・ナンバー)と呼ばれます。<math>\frac{1}{2}</math> や <math>\frac{2}{3}</math>、<math>-\frac{3}{4}</math> などは有理数です。
 
分子・分母ともに整数の分数で表すことができない数を、'''無理数'''(むりすう、irrational numbers)といいます。<math>\sqrt{2}</math> や <math>\pi \approx 3.141592653589793\ldots</math> は分子・分母が整数の分数で表すことができないので、無理数です([[#√2が無理数であることの証明|<math>\sqrt{2}</math> が無理数であることの証明]]を参照)。
;定義(有理数)
 
:整数 ''m'', ''n'' を用いて <math>r = \frac{m}{n}</math> と表すことのできる数 ''r'' を有理数という。
有理数と無理数をあわせて'''実数'''(じっすう、real numbers)といいます。実数は有理数と無理数に分けられます。有理数でない実数は無理数であり、無理数でない実数は有理数です。
 
;{{定義|title=有理数|
:整数 ''m'', ''n'' を用いて <math>r = \frac{m}{n}</math> と表すことのできる数 ''r'' を'''有理数'''(ゆうりすう、rational numbers)という。有理数でない実数を'''無理数'''(むりすう、irrational numbers)という。
}}
 
;補足
:整数 ''n'' は <math>\frac{n}{1}</math> という分数で表すことができるので、有理数に含まれます。
 
分子・分母ともに整数の分数で表すことができない数を、'''無理数'''(むりすう、irrational numbers)といいます。<math>\sqrt{2}</math> や <math>\pi \approx 3.141592653589793\ldots</math> は分子・分母が整数の分数で表すことができないので、無理数です([[#√2が無理数であることの証明|<math>\sqrt{2}</math> が無理数であることの証明]]を参照)。
 
;定義(無理数)
:整数 ''m'', ''n'' を用いて <math>x = \frac{m}{n}</math> と表すことのできない数 ''x'' を無理数という。
 
有理数と無理数をあわせて'''実数'''(じっすう、real numbers)といいます。実数は有理数と無理数に分けられます。有理数でない実数は無理数であり、無理数でない実数は有理数です。
 
;注意
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===集合===
====√2が無理数であることの証明====
ある数が無理数であるかどうかの性質を'''無理性'''(むりせい、irrationality)といいます。<math>\sqrt{2}</math> の無理性の証明はいくつか知られていますが、ここでは背理法による証明を試みます。そのためにまず、次の題を対偶による証明を用いて証明します。
 
{{定理|type=命題|
;補題
:''m'' を整数とする。
::<math>m^2</math> が偶数ならば、''m'' は偶数である。
}}
 
;{{証明|title=命題|
:題の対偶をとると、
::''m'' が奇数ならば、<math>m^2</math> は奇数である。
:''m'' を奇数とすると、''m'' は整数 ''n'' を用いて、
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::<math>m^2 = 2(2n^2 + 2n) + 1</math>
:''n'' が整数であることから <math>2n^2 + 2n</math> も整数であり、<math>m^2</math> は奇数である。したがって、整数 ''m'' が奇数ならば <math>m^2</math> は奇数であることが示せたので、<math>m^2</math> が偶数ならば ''m'' は偶数であることが示された。∎
}}
 
;{{証明|title=<math>\sqrt{2}</math> の無理性|
:<math>\sqrt{2}</math> が有理数であると仮定すると、<math>\sqrt{2}</math> は 1 以外に公約数をもたない整数 ''m'', ''n'' を用いて次のように表せる。
::<math>\sqrt{2} = \frac{m}{n}</math>
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::<math>n^2 = 2k^2</math>
:よって <math>n^2</math> は偶数であり、''n'' も偶数である。''m'' と ''n'' が偶数(2の倍数)であることは、''m'' と ''n'' が 1 以外の公約数をもたないことと矛盾する。したがって、<math>\sqrt{2}</math> は無理数である。∎
}}
 
;補足