「高校数学の教え方」の版間の差分

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高校の数学教育では、大学受験を乗り切るために与えられた問題を解くことばかりに集中し、数学の本質が見えにくくなっている傾向にある。たとえば、ひたすら公式を暗記するだけの数学教育などはその典型である。
 
[[Topic:高校の数学]]では学習者の自主性を重んじる真の数学教育を追求し、定理・公式を暗記せず、定理をきちんと証明し、定義を重視することはもちろん、定義の背景にある歴史(数学史)や動機、発見の過程までを丁寧に解説し、人間の自然な思考の流れにそって、計算重視ではなく論理重視の観点から授業数学教育を行うことを大前提とする。
 
"''Set learning free.''" のスローガンのとおり、知識はすべての人が自由に、かつ無償で手に入れられるべきであるから、ウィキバーシティでは何の数式も読めない初学者であっても、意欲あふれるものならば、わけ隔てなく、寛容に受け入れる姿勢を善とする。過度な削除主義ではなく、加筆によって記事の品質を向上させ高めることを推奨する。
 
「数学を学ばざる者、この門を通るべからず」。これは数学者でない者を排除しようと門前払うことにする標語ではなく、むしろ数学を学ぼうとする意欲のある者ならば、誰にでも門戸を開くという念である。より多くの人々が数学を学ぶことによって、さらなる学問の発展につながることを期待してやまない。
 
==5つの柱==
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:手を動かして計算して理解させるのではなく、すべての知識を本文で完結させる。そのため演習問題はこれを廃し、市販の教科書・参考書を統合して問題集を隔離する。最小限の問題を提示する場合でも、本文を読んでいれば自明に解けるような易しい問題を用意する(逆に言えば、どんな難しい問題でも自明に解き明かせるレベルの本文を書く)。無意味な計算問題は全廃する。
;不正確を期す
:厳密さにこだわって難解になるよりは、できるだけわかりやすく解説することを目標とする。ただし、これは論理を破綻させたり、証明を省いたりせよと言っているわけではない。編集者が平易な記述によって内容が不正確になることを恐れるなという意味である。
;証明を省かない
:証明抜きに定理を載せることはできないものと思うただし、これは定理とその証明を機械的に列挙せよと言っているのではなく、たかだか有限個の例を示して、論理的な帰納の誤謬を犯して定理を「予想」するに留まらず実際に演繹的な手段を用いて実際に定理を証明せよと言っているのである。
;論理を飛躍させない
:少しでも論理の飛躍があれば、読者はそこで立ち止まって考え込んでしまう。式変形は1ステップずつ丁寧に行い、通分・約分の仕方から公式の適用までを逐一説明する。知識を一方的に傾けるのではなく、自分自身も学習者とともに学んでいこうとする姿勢が重要である。誰が読んでもわかるようにする。
 
==分野別指導手引き==