化学量論

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気体の挙動

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この節で用いられる略号:

  圧力 (N/m2)
  体積 (m3)
  気体分子のモル数
  気体定数:8.314472 J/mol*K
  温度 (K)
  気体分子間の引力に関する定数
  気体分子の占める体積に関する定数
  ボルツマン定数:1.380650524×1023 J/K

ボイルの法則

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この法則は温度一定の時の、理想気体の体積が圧力によってどう変化するか(その逆も)を示します。

シャルルの法則

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この法則は圧力一定の時の、理想気体の体積が温度によってどう変化するか(その逆も)を示します。

ゲイ−リュサックの法則

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この法則は体積一定の時の、理想気体の圧力が温度によってどう変化するか(その逆も)を示します。重要なことは、体積と分子数が一定の場合に気体の圧力を上げる方法は、温度を上げること以外にないことです。それに加えて、圧力が急速に低下すると温度も同様に低下します。これが冷蔵庫の動作原理です。

アヴォガドロの法則

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同温・同圧力で同じ体積の気体中には同じ数の分子を含んでいます。273.15K(0℃), 101.3kPa(1気圧)の状態で22.4リットルの気体中には、6.0221415×1023の分子があります。

 

上記の4つの法則を結びつけたものが理想気体の状態方程式です。理想気体とは、気体分子間に引力が作用せず、分子は質量を持たないような、仮想的な気体です。しかし現実の気体であっても、十分高温もしくは十分低温の場合には、この理想気体の状態方程式がよく成り立ちます。現実の気体がこの状態方程式から大きく外れる挙動を示すのは、気体の沸点もしくは昇華点付近です。

 

ファン・デル・ワールスの状態方程式は、実在の気体分子は空間中のある領域を占有すること(すなわち、0Kにおいても分子は有限の体積を持つ)、そして気体分子同士は双極子同士の相互作用やロンドン分散力、ファン・デル・ワールス力によって引きあうことを考慮に入れたものです。

周期律

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周期表の縦の列に並ぶ元素は一般的に似たような化学反応性を示します。

電子構造

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化学反応性

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有機化合物と無機化合物

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有機化合物

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有機化合物には常に炭素−水素結合があり、少なくとも1つの水素と結合した少なくとも一つの炭素が存在しています。四塩化炭素などはこの定義には当てはまりませんが、“有機化合物”から誘導される化合物という意味で“有機化合物”です。有機化合物の命名法はIUPAC(the International Union of Pure and Applied Chemistry)で決められています。

無機化合物

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無機化合物は炭素−水素共有結合を持たない化合物です。無機化合物の結合様式としては主にイオン結合と共有結合です。イオン性化合物は、陽イオン(通常は金属イオン)が陰イオンと電磁力で引きあっています。イオン性化合物のほとんどは固体ですが、まれに液体のイオン性化合物もあり、近年盛んに研究されています。イオン性化合物は水に可溶なこともありますが、必ず溶けるというわけではありません。共有結合性化合物は、分子があらゆる方向に無限に繰り返されています。原子同士は電子を共有することで結合しており、電荷を持っていません。このような例としては、ダイアモンドや黒鉛、石英(二酸化ケイ素)などが挙げられます。